岡山の伝統文化1 備中神楽(びっちゅうかぐら)


備中神楽
岡山県の備中地域を中心に郷土芸能として行われている神楽様式の1つ。
備中地域では古来より荒神の心をやわらげようとして行なわれてきた荒神に奉納する神楽として荒神神楽が行われていた。
これは主に猿田彦の舞・剣舞を中心としており、現在の備中神楽のように郷土芸能というよりはより神事に近いもので、神職のみが行っていた。
しかし、文化・文政年間に京都で国学を学んでいた西林国橋が古事記日本書紀古今和歌集などを参考に、能・狂言・歌舞伎など成熟しつつある芸能を取り入れて演芸性の高い神代神楽を加え、それまで神職のみが行っていたものを神職外の神楽太夫などが奉納するようになった。
特に茶利である松尾大明神(まつのおだいみょうじん)と太鼓奏者との漫才のような掛け合いが独特で人気がある。

荒神祭としての古来の方法は7年目、13年目などの式年に野外に神殿(こうどの)を作り氏子(うじこ)をが集まり、白蓋(びっかい)行事による荒神歓請から綱舞による結願のお託宣まで、数々の神事と神事舞そして神能が行なわれる。
備中神楽を荒神神楽、神殿神楽とも言う。
郷土芸能として備中神楽には、荒神神楽の順序の中に神代神楽三曲がある。
これは、文化文政のころ、西林国橋が古事記日本書紀の日本誕生にまつわる神話の中から「天の岩戸開き」「大国主命の国ゆずり」「素戔鳴命の大蛇退治」の三編を選び劇化し、芸能性の高い民族芸能に仕上げたものである。

※後楽園(岡山県岡山市北区)にて、毎月第2日曜日、備中神楽の定期公演が行われている。
※中世夢が原(岡山県井原市美星町)では、毎年9月の第2土曜日に、荒神神楽で舞われる神事色の強い中世系の神楽を行っている。
 (午後5時30分〜午後11時)


備中神楽は大学で講義を受けてから存在を知りました。
かなり時間を要する儀式らしく、夜通し舞を舞っていたとか…。
だいたい、地方に伝わる伝統芸能の歴史は、室町期以降のものが多く、備中神楽もまさにその通りでした。





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